劇場版「荒野に希望の灯をともす」鑑賞

劇場版「荒野に希望の灯をともす」鑑賞

中村哲さんのドキュメンタリー
荒野に希望の灯をともすを逗子のシネマアミーゴで鑑賞。
インスタで観てきました。とアップしたら シネマアミーゴでの上映は明日までで、もう2回の会ともいっぱいで予約できなかった。もっと早く教えてほしかったと言われてしまいました。もっと早く観に行ってお知らせすればよかったです。
中村さんは、アフガニスタンでは温暖化の影響で農地が乾燥し、年々失われて、食料が少なくなり、深刻な事態になっている。私は医療関係者だが、薬だけでは人々の健康は守れない。清潔な水、それから十分な食べ物を確保するために、かんがい事業が欠かせないと水があれば多くの病気と帰還難民問題を解決できるとして、福岡県朝倉市の山田堰をモデルにして建設に取り組み、クナール川からガンベリー砂漠まで総延長25kmを超える用水路が完成し、約10万人の農民が暮らしていける基盤を作りました。
文章でいえば、こういうことなのですが、砂漠が緑の大地になる。そんなことみんなが信じられない。できるわけない。と砂漠をみたみんなが思うことを、やると決めて、できると信じて、次々に起こる問題も困難も全部乗り越えて、緑の大地をみせる。このすごさに圧倒されました。
ケニアでも最初に訪れた20年前に比べて電気の普及は大きく変わったと思うけれど、水に関しては、用水路にしてもかんがい事業にしても大規模になるので、生産者の住んでいるエリアにいくと、大きなタンクで、雨水を貯めるが一般的。たくさんの会社がケニアで起業していて、電気は小さい規模でもスタートができるのかもしれないのですが、水に関してはとにかく大ががりになるのに、 もちろん井戸を掘るなどは多くありますが、用水路やかんがい事業となるとなかなか手がだせないのだと思います。
ケニアの生産者のエリアでは、お宅に伺うと、敷地内に大きなタンクがあります。雨が降った時にとにかく水を貯めるのです。その水がなくなったら、ロバで近くのダム(と呼んでいるけれど、私たちが思うダムではなく、小池のような貯め池 )に水を汲みにいきます。でもタンクの水がない時には、 貯め池の水もなくなります。そうなると水売りの方から水を買います。
乾燥した地域では、雨季には川ができるけれど、乾季は川はただの道になります。雨季に雨がたくさん降ると橋が流されます。ナイロビに滞在中の1ヶ月間に待っているバスケットが届かず、1ヶ月あったら、とどくのでは?と思っていたら、 君はたくさん雨が降る雨季をわかっていない。と橋が流れた川の対岸で車が何日も川の水の量が減るのを待って、一台の車が川を渡り、途中で流されて、みんなが助けにいき、まだ渡れなかったという映像をみせてくれました。
本当に私はなにもわかっていませんでした。川の水量が減るのを待つしかないのです。
映画の中で印象に残った言葉があります。
利害を超え、忍耐を重ね、裏切られても裏切り返さない誠実さこそが、人々の心に触れる。 それは、武力以上に強固な安全を提供してくれ、人々を動かすことができる。
水が大切なことはわかっていても利害がからむと、利益がでないとやる価値がないということになってしまうかもしれない。でも不可能に思える砂漠を緑の大地にすることが、可能で、用水路が完成していることが目にみえる。見えることは、できること。これは観た人みんなの希望になります。いろんな国の人がみて、日本のなかでもたくさんの方が観てくれたら良いなと思いました。
私は、中村さんのように大きなことはできなくても、人生に機会があれば、この地域の手工芸に関わるなど、できることをしていきたいと思います!