「乙嫁語り」の原画展に行ってきました

「乙嫁語り」の原画展に行ってきました

大乙嫁語り展が全国に巡回しています。東京展を見逃してしまい、もう地方に行くしかないかと思っていたら、神奈川の本郷台あーすぷらざに来てくれました。神奈川の中でも近所でありがたいです。
大乙嫁語り展とは漫画「乙嫁語り」の原画展です。
友人は知っての通り、私は隙あらば漫画を読んでいます。私にとっては本も漫画も映画もどれも人生を彩る大切なものです。 オンプリュのブログで漫画の紹介?
全くの個人的な趣味を書くのはどうだろうかと思いましたが、手仕事好きな方にも通じるものがあると思い今回は誰にも頼まれていないけれど、おすすめ漫画紹介です。

「乙嫁語り」

物語は19世紀半ばの、カスピ海にほど近い中央アジアを舞台にさまざまな結婚模様をイギリス人のスミスが旅をしながら、出会う乙嫁たちの人生を当事の文化、風習などの背景も含めて丁寧に描かれます。
タイトルの「乙嫁」とは、古語で「若いお嫁さん」「美しいお嫁さん」という意味だそう。
主人公はアミルとカルルク
物語は都会に住むテュルク族12歳の少年カルルクが、遊牧民の出の20歳の女性アミルと結婚するところからスタートします。 
遊牧民社会では、末子が跡を継ぐのが慣わしであるため、カルルクはエイホン家の次期家長です。

アミルは遊牧民のハルガル族。
20歳という年齢での結婚は、この時代の人々からすれば晩婚
弓での狩りや馬の扱いに長けています

伝統文化を守りつつも、近代化の道を歩む人々。強力な父系社会であり、家長である父親の判断が絶対です。定住して街を築く者がいれば、昔ながらの遊牧を続ける者もいて、家畜が財産として重要な地位を占める社会。

イギリス人ヘンリースミスは中央アジアの人々の暮らし、風俗に関心があり、単身で旅をしています。当初はカルルクのエイホン家に居候していて、アンカラへの旅の途中に第2の乙嫁タラスと出会います。
主人公の他スミスが出会う乙嫁たちの話がオムニバス式にはいっていきます。 
第3の乙嫁は双子のライラとレイリ
アラル海沿岸のムナク村で暮らす彼女たちは普段素潜り漁をしています。
ペルシャで出会うのはアニスとシーリーンが第4の乙嫁です。ペルシャはイスラム教圏。19世紀まであった姉妹妻のお話
第5の乙嫁はパリヤ。アミルが町で出会う友達です。

手仕事についてのエピソードも布支度があります。
当時の身の回りの衣類は手縫い。刺繍は家族に対する元気でいてほしい。病気にならないようになどの祈りを込めています。また家族ごとの模様もあります。結婚間近の娘は嫁入り支度として、 衣類や敷物、壁掛けなど刺繍を施した布を大量に用意します。布支度が済まないと結婚出来ないとされています。
物語の中にお気に入りの乙嫁や草原の男性が見つかるかもしれません。
ちなみに私はアミルの兄アゼルと、案内人のアリが好きです。
漫画の絵もうっとりするくらい美しいのですが、生の原稿もほんとにすごかったです。ただの白い紙がこつこつ描いていくとこんな別世界がうまれるなんて!
乙嫁語り既刊14巻 連載中
1年から1年半に一冊ペースなので、すでに10年以上
完結してから読みたい人には、おすすめできないのですが、 中央アジアの暮らし?乙嫁?遊牧民?なにかにピンと来た方はまず漫画、そして原画展ともに行ってみてください。あーすぷらざでの原画展は6月25日まで。