オンプリュの商品が届くまで~その2 ふるまい

生産者訪問をする時にはグループの代表に日程を決めてもらい、その日に作り手に集まってもらいます。

作り手は近い人から遠い人までさまざま。その1日を空けてもらうことになるので、そこからはどこまでふるまいをするかの話し合い。ふるまいとは、集まってくれた作り手のみなさんにごはんをふるまうというもの。ふるまいのお金を出すのは私。私はお金を出すスポンサー役で、生産者が食材や作ってくれる人の手配をします。

なぜふるまいが必要なのか日本ではぴんと来なかったのですが、職人たちは、このようななにもない道のさきにポツンと見えてきて、だんだんと近くなってくるのです。

車の道は遠回りになるらしく、ショートカットしてくるそうです。私なら遭難しそうです。遠くから徒歩で何時間にも来てくれたおかあさんたちには、なにかごはんを用意してあげたくなります。せっかく来てもらうのならお腹いっぱいになってもらいたいと思うのです。

だんだんと人が集まってきました。おかあさんたちは歩きながらも編んでいます。

何十人分もつくるので、あたりはお祭りみたいな騒ぎになります。たくさんの方がお手伝いにきてくれています。お手伝いの方へのお礼も今日のご馳走です。

村に到着するとまず目に入るのはヤギの皮。太鼓の材料にするそうです。この日は村の人が3人がかりでヤギをさばいたくれました。メニューはヤギのシチューとチャパティ、2種類のピラウ(炊き込みごはん)。みんなが大好きなファンタやスプライトなどのソーダも用意します。

準備をするのもとても大変だと思うけれど、このふるまいをみんなとても楽しみにしてくれているので、できれば、毎回生産者には会いにいきたいと思っています。

もちろん食べるだけでなく、ミーティングもします。納品の際にあった問題や、金額、不良品とか、いろんなことを言ってもらって、最後は作ってくれてありがとう。

私たちはこの仕事のチームです。私は日本の販売するチーム。作ってもらった商品を売って次のオーダーを持ってくるのが役割で、作り手のみんなは良いバスケットを作る。どっちがかけても仕事は成り立ちません。こうして私たちは、ひとつの仕事をしているのです。

日本をナイロビの隣?と思っているみんなに日本の遠さはなかなか伝わらないようですが、バスケットは世界を旅しているんだよ、と伝えています。

 


オンプリュの商品が届くまで